6 時には、哀願口調で訴え、意見を認めさせる

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_  当時の総選挙で、田中派に属していた為に不利をつたえられたある候補者が、見事に上位当選した。  「田中問題と言う重い十字架を背負い、足元がヨロヨロする」等と、徹底的に泣き落とし戦術を取り、更にその夫人が泣きながら街頭に立って、人情の厚い下町の同情票を集めたと言われている。  人間の脳の中で、感情をコントロールしているのは、視床下部であり、これは、本能に近い機能を持っている。  感情が、人間の原始的行動の羅針盤と言われるのもその為である。  原始的行動とは、例えば、仲間が死んでいるのを見つけると、とにかく、その場から逃げようとする。  それは、仲間が死んでいるから、その場は危険⚠だと言う理由からではなく、単に不愉快だと言う感情がしからしめる所だ。  結果的には、不愉快だと感じて逃げた事が、身を守る事になる場合が多いのだが、こうした原始的なレベルでの訴え掛けは、特に日本人の場合、心❤を掴むのに効果的かも知れない。  先日も、こんな投書が新聞に載っていた。  「I県から行商のおばさんがやって来た。『出稼ぎ亭主の収入が少ないので私が頑張っている』と、土いじり節くれだった指の皸を見せて、鉢植えを買ってとせがまれた。ついほだされて、七福紅葉を買った所が、翌日、近くの花屋🌸で見ると、同じ鉢植えが5分の1の値で売られていた」 _
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