4 攻撃エネルギーを減少させるには、攻撃手法を褒めてやる。

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4 攻撃エネルギーを減少させるには、攻撃手法を褒めてやる。

_  私がまだ生意気盛りだった。  学生の頃の話である。  普段から学生を苛める事で知られていたドイツ語の先生が、珍しく文法上の間違いをおかした。  どうやら、そのミスに気が付いたのは私1人の様である。  そこで私は、日頃の恨みを晴らすべく、鬼の首でも取ったかの様に、激しく先生のミスを追求した。  するとその先生は、大真面目な顔になり、「そうた、その通り。多湖君は実に良い所に気が付いた、他の者はどうした。居眠り💤でもしていたのか」と、私を持ち上げてくれた。  その後、私が指摘した部分は誰もが間違い易い重要な所であり、正確に読んでいないと、訳に大きな間違いが出て来るから十分注意⚠するようにと、解説に及んだのだ。  攻撃から逆に褒められた私は、すっかり有頂天になって、ついに鬼の首は取れず仕舞いに終わってしまった。  人は誰でも、痛い😞💥所を撞かれたり、反論された場合、つい血相を変えて、「そんな筈はない」「間違っているのはそっちだ」等と、激しい口調で反抗したくなる。  しかし、それは言って見れば火事場にガソリン⛽を背負って行く様なもので、相手の感情を益々高ぶらせるだけである。 _
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