奉仕の笑顔

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ねえ?私の事を愛してる? 和美は仕事から帰り肌を交わす時間になると、必ず博之にそう訪ねてくる。 そして博之に自分の花弁を舌で味わう事を強請る。 しかし博之にとってそれは地獄の様な苦しみを伴うのだ。 何故なら、博之は五年前事故に遭い、 首から下の神経の全てが麻痺してしまっているからだ。 性欲はある。 しかしその性的刺激は、 まるで接触の悪くなった音声ケーブルの様に断片的にしかその情報を下半身に伝達してはくれない。 満たされる事の無い性欲を抱えながら舌先だけで和美を満足させるその作業は、 それはまるで遭難した救命ボートの舳先で、 喉の渇きに苛まれながら見渡す限りの大海原を見ている事にも等しい焦燥と苛立ちを博之に与える。 しかし、 それでも博之には和美の要求を拒む事は出来ない。
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