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博之は家庭を顧みない男だった。
そして子供を産む事の出来なかった和美に幾度となく離婚を迫った事もある。
しかし和美はその度々で博之に泣いて縋り博之を引きとめてきた。
そして何時しか博之の浮気を和美は笑顔で黙認する様になっていった。
そんな日常の中で博之は事故に遭遇する。
博之は荒れた。
そして和美に当たり散らした。
しかしどんなに博之が荒れても和美は笑顔を絶やさなかった。
献身的に博之の世話をし、切迫する家計を支える為に夕方になると仕事に出掛け必死になって働いてくれる。
次第に博之は反省を始めた。
そしてどんな時も笑顔を絶やさない和美のその笑顔を心から愛する様になっていった。
『なぁ和美……
俺に何かお前を喜ばせる事は出来ないか?
俺はお前のその笑顔を心から愛している。
だからお前にはこれからは何時も笑顔でいて欲しい』
『何を言ってるの、いいのよ博之さん、そんな事は気にしなくても』
『否、それじぁ俺の気が済まないんだ。
やりたい放題だった俺をお前は何時も笑顔で許してくれた。
そしてこんな身体になってすらお前は少しも変わらず俺を愛してくれる。
なんでもいい、お前を笑顔に出来る方法はないのか?
有るなら俺に教えてくれ!頼む!』
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