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僕の頭に顎を乗せた隼人と、それを見上げる三輪先生との間に、バチバチと火花が飛んでいる。
……気がする。
やがて三輪先生が溜息を零しながら、フッと笑みを浮かべた。
「ホーント、過保護だなぁ…」
「?、何か云った?」
「何でもなーい。それより、喰ったかどうだか知りたいなら、私達と一緒にクリスマスしよ?」
「はぁ!?」
隼人が驚いた拍子に、先生が僕の腕を引き寄せて隼人の"威嚇"から解き放つ。
「今夜、キミタチに私がクリスマスの過ごし方を教えてあげます」
"クリスマスの過ごし方"?
って?
何か特別な事でもあるの?
先生は僕の腕を片手に、フフンと少し得意気な表情をする。
「……。意味判んねーし」
「判んないの?吉成君を放っぽって女の所なんか行ったらどうなるか…賢いお兄さんなら判るでしょ?」
「……………。」
え?ぇ?
なんかまた火花が…?
しかも隼人の方が圧され気味?
「…アンタ、汚ぇぞ」
「だってヤンキーですから♪」
「……チッ。寝る。出てって」
―バタン!
「…えぇー……?」
どうやら拗ねてしまったらしく、僕と先生はポイと廊下へ閉め出されてしまった。
ふと隣を見ると、先生は眉を歪めて扉をじっと眺めている。
「…吉成兄弟、仲良過ぎじゃない?」
「そう?…ですか?」
そう云えば前にも、似た様な台詞を真奈から聞いた気がするな。
仲、良過ぎるのかな?
兄弟ってこんなモノかと思ってたから、よく判らない…。
「何で彼氏の兄貴に嫉妬しなきゃなんないの?私」
「………うん?」
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