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開けるのを代わろうかと手を伸ばすより僅かに早く、隼人の手が、スッと先生の手元に伸びて来る。
「貸して。」
「…ありがとう。」
―ポン…ッ
受け取ると、隼人はアッサリと蓋を開けて先生のグラスにシャンパンを注いだ。
注がれるグラスを、先生が嬉しそうに眺めている。
先刻までの殺伐とした空気は、いつの間にか掻き消されていた。
* * *
二人のお酒も進んだ頃、僕の貞操の真相がケーキに託されていた事を知らされた。
生クリームかチョコレートか。
白か黒か。
「………………。」
色んな意味でショック。
クリスマスってもっと子供の夢に溢れた一日なんだと思っていたのに。
どうやらそうでも無いらしい。
…勉強になりました。
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