hanker;034

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   * * * 明里、明里、明里、アカリ… 「…んん~ー……」 ずっと『三輪先生』って呼んでいる所為か、今更名前で呼ぶ事に妙な照れを感じてしまう。 「慶?そこ磨き過ぎじゃね?」 「へ!?」 教室の窓を新聞紙で磨いていると、廊下側にいた英士が窓ガラス越しに僕を覗き込んで苦笑していた。 今日はクリスマスイヴ。 …だけどその前に、終業式。 式も終わって今年最後の大掃除中である。 どうやら僕、他に意識が飛んでいた所為で同じ所しか磨いていなかったらしい。 「それよりさー、慶も行くだろ?放課後」 「う…ん?…何処へ?」 「!?」 キョトンとする僕に、英士がガッと目を見開いて窓を思い切り開け放った。 ―ガラッ! 「え!?終業式の時に皆で話したじゃん!『恋人いない奴は放課後カラオケ大会』って!」 「………。」 そうだっけ? あんまり覚えてないけど…。 ずっと上の空だったしな。 体育館で三輪先生を見つけて眺めてました…とは云えないし。 って云うか皆も校長の話そっちのけだったのか。 ハハハ。 …イヤイヤイヤ、その前に。 「あー…僕、カラオケはちょっと…」 「えぇーッ!?俺、慶とEXILE歌う気満々だったのに!?」 英士が箒を片手に上半身をグルグル回しながら訴えてくる。 「う、うぅー…ん」  
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