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それは、絶対無理。
そんな、グルングルン回る速度早めてくれても、無理。
「英士、あんまり回ると…」
「…佐倉、吉成の事は諦めなよ」
ん??
英士を止めようとするのと同時に声がして、振り向くと、蓮見がゴミ箱を片手に僕等の元へ歩み寄って来ていた。
ポンと僕の肩に手を置いて、半ば憐れむ様な目で英士を見ている。
「なんだよー。蓮見には関係ないだろー?」
「だってソレ…『恋人いない奴』の集合なんでしょ?」
「「えっ!?」」
はっ蓮見!?
僕、彼女がいるなんて隼人以外の誰にも話してないけど!?
言葉に詰まる僕に同じく、驚きを隠せない英士がプルプル震える指で蓮見を指差した。
「は?うそ、お前等やっぱそーゆー関係なの?」
「………。」
あの、蓮見さん?
否定しようよ。そこは。
口元はニッと笑ってるけれど、英士を見据えるその眼がかなり恐いっす。
「…はい、佐倉。ゴミ捨てて来て」
「「蓮見!!」」
普段は中々見せない笑顔の蓮見にゴミ箱を差し出された英士と僕の声が、宙で重なる。
その反応が可笑しかったのか、蓮見が珍しく声を上げて笑った。
「「………。」」
ゴミ捨てに向かう英士の背中を眺めながら、まだ隣にいる蓮見に恐る々々訪ねてみる。
「あの…蓮見、ありがと」
「うん。」
「って云うか、その…何で知ってるの?」
「うん?」
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