hanker;034

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   * * * 「あははは!ハスミちゃんやるなぁー」 「先生、笑い事じゃないよ…」 「そう?」 下校時間になり、これからカラオケ大会だと云う英士たちを見送って、僕は会議室に来ていた。 ここで三輪先生とランチをする約束をしていたのだ。 自ら「料理は好きじゃない」と宣言した先生が、何故か僕の作った弁当をどうしても食べたいとか云うから、こうして作って来たんだけど…。 高校生男子の手作り弁当なんて、大したモノは入ってないのに。 「んん~、この玉子焼きマジで旨い!」 彼女が目の前で、僕の作った玉子焼きを幸せそうな表情して頬張っている。 その前にこれ、 立場、逆じゃない?(笑) 先生が喜んでるなら別に良いけど。 「吉成君って甘い派なんだね?」 「いえ、それは先生用で…僕のは塩コショウ味です」 「うっそ!!味違うの!?」 「うん」 ―パシッ 軽く頷きながらフォークで差した自分用の玉子焼きを口に運ぼうとすると、不意にその手首を掴まれた。 「は!?」 玉子を入れ損なった口を開けた侭、持って行かれた手元を視線が追い掛ける。 三輪先生は止める隙も無い勢いで、ヒョイと口に入れてモゴモゴさせていた。 「あー、ほんろらー。ひょっふぁーい」 「……"ひょ"…?」 三輪先生、なんか子供みたいだな。 可愛い…。  
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