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「吉成君って…」
「はい?」
「…たまーにドキッとする様な事、云うよね」
「…………。そう?」
首を傾げる僕に、先生は口をキュッと結んで大きく頷いた。
これじゃ益々「隼人に似て来た」とか云われそう。
だけど
こんな自分が、
満更でもなかったり……して。
「…………先生…。」
そっと顔を近付ける僕を、三輪先生が上目遣いで見つめている。
何だか僕までドキドキして来た。
先生にこんな表情させられるのは、彼氏の特権…ですよね?
あぁ、今ならすんなりと呼べそう。
呼びたくて、呼べなかった
名ま……
「いちゃついてる所、悪いんだけどさ~ー」
「…………ぁ?」
最高潮にユルい声に遮られて、目の前の三輪先生と顔を見合わせる。
恐る々々振り向いた僕等の視線の先では、安住先生が腕を組んで扉口に凭れ掛かって立っていた。
うげ!!?
いいいいつからそこに!?
「……あの、これはその…」
「あー、安住先生やっと来たぁー」
「……えっ?」
"やっと"?
変な汗垂れ流し状態の僕の隣で、三輪先生が右手を大きく上げる。
その手に促される様に、安住先生が三輪先生の隣に座った。
「ちゃんと来ただけエラいと思って欲しいなぁ~」
「えぇ!?"大事な話"だって何度も云ったじゃないですか!」
机に拳をドンと置いて怒り出す三輪先生に、安住先生が失笑している。
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