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今のこの状況……三輪先生を間に挟んで、三人並ぶカタチなんだけど。
僕は長机の角に座っていた所為か、二人の顔が視角にキレイに収まっていて。
…うん、それは良いんだけど。
お陰で先刻から安住先生にガン見されてる気がして、益々落ち着かないんですけどー…!?
…………あ。そう云えば。
僕、安住先生を会議室に呼んだなんて話は聞いていない。
って事は、僕はこの場に居ない方が良いハナシなのかな?
「で?俺に何の用なの~?」
僕が口を挟むより僅かに早く、安住先生が頬杖を付きながら三輪先生の顔を覗き込んだ。
!!
ち…ちょっと!安住先生!
近付き過ぎじゃない!?
うぅ。
阻止したいけど『ガキっぽい』って思われたくない。
…否、十分ガキなんですけどね!!
……ッ、駄目だ。
安住先生が相手だと、どうにも嫉妬心を掻き立てられてしまう。
もう、ライバル視する必要も無い筈なのに。
………僕に、自信が無い証拠かな。
「……って。そんなの報告くれなくても見てりゃ判るんだけど」
「でも、安住先生にはちゃんと知ってて欲しかったんです」
「……ふーん?」
あ、あれ?
考え過ぎて勝手にヘコんでいる間に二人の会話は進んでいたらしく、気付くと微かに重い空気が漂っていた。
「……。迷惑、でしたか?」
「いや?そう云う訳じゃないけど~ー」
「…………。」
「…………。」
俯いて黙り込む三輪先生と、その奥で頬杖付いた侭、少し怒った素振りで眺めている安住先生。
とても、僕が間に割って入れる雰囲気じゃない。
そんな沈黙を破ったのは、溜息混じりにフッと笑った安住先生だった。
「…交際宣言は別に構わないんだけどさ」
「………。」
安住先生の空いている手が、三輪先生の方に伸びて来る。
かと思うと、顎に触れたその指先が、クイッと自分の方へ彼女を振り向かせた。
二人の向き合う顔が近い所為か、僕からは何にも見えない。
「!?」
「……明里ちゃんは、さ。俺の気持ちとか考えた事は無いの?」
「…えっ?」
え?
………えぇッ!!?
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