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* * *
「お待たせ~、はぁ~ー…」
―ドサッ
結局、荷物を置きに一度家に帰った真奈が、先刻より大きな荷物を抱えて戻って来た。
ここは、僕と真奈の秘密基地。
マンションの屋上へと続く階段である。
「伯母さん怒ってなかった?」
「ん?大丈夫。ママには『慶がクリスマスなのに一人でいるって云うから行って来る』って云っといたから☆」
心配する僕を前に、真奈は余裕の表情でピースサインを向ける。
「あー…。」
まぁ、間違いじゃないけど。
伯母さん、きっと僕の事、可哀相な男子だと思ったんだろうな…。
「絶対なんかあったでしょ」
「うん?」
真奈が僕の隣に座り、持って来たブランケットを僕と自分の背中に掛ける。
「慶の事なんてお見通しだよー?」
「……ハハ、そっか。」
力無く笑う僕の腕を腕で突きながら、真奈が悪戯っぽい笑顔を見せた。
久し振りのこの感覚が、妙にくすぐったい。
「………真奈は、さ」
「んー?」
「安住先生ってどう思う?」
「…は?」
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