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秘密基地で解散して、朝。
真奈の言い分を頭では理解しつつも、どうにも煮え切らずにいた僕は、朝から真奈に呼び出されて隣町のショッピングモールに来ていた。
移動中に「何を買うの?」と訪ねたら、「私じゃなくて慶の買い物だよ!」と怒られてしまった。
周囲のショップには目もくれず、真奈はお気に入りだと云うアクセサリーショップに入る。
どうやら、僕が三輪先生に贈る為のクリスマスプレゼントを一緒に見立ててくれるらしい。
「こーゆーのは気持ちが大事なんだから、安くても良いの。"クリスマスに彼氏から貰った"って云う事実が大事なの」
何故か異様に張り切る真奈が、アクセサリーに目を輝かせながら力説する。
「そう云うモノ?」
「って云うかイヴにデートしといて何もプレゼント用意してないとか、マジ有り得ないから」
「…すいません。」
落ち込む僕に、「判れば宜しい」と得意気に頷いて見せると、あれこれ提案しながら一緒になって選んでくれた。
…こう云う時、幼馴染みって頼りになるなぁ。
漸くプレゼントを買って、店を出る。
そのタイミングで、丁度すれ違った男子の集団から聞き覚えのある声に呼び止められた。
「慶?…と、真奈ちゃん!?」
「「ん??」」
真奈と二人して振り返ると、驚いた表情の英士が僕等を指差して立っている。
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