hanker;036

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   * * * ―シャー……ッ… ショッピングモールで真奈達と別れて、地元駅に戻る。 英士と真奈がどうなるのかは判らないけど、もう僕が立ち入れる領域じゃないしね。 僕はその足で学校に向かっていた。 駅からの上り坂を自転車でひた走る。 今は、一秒でも早く、 三輪先生に逢いたい。 漸く学校に着いて、駐輪場に自転車を停めた。 全速力で漕いだ所為か、真冬なのに無駄に暑い。 校内は部活中の生徒達で意外と活気づいている様だ。 「……あ。」 まだ少し荒い息に胸元を押さえながら、ふと気付いた。 そう云えば僕、何も考えずに私服で学校に来ちゃった。 あー…………。 …まぁ、でも。冬休みだし? 取敢ずコート着てれば平気だよね? 暑いから脱ぎたいけど……… ……ん? 校舎に入ると、向かいの校舎の壁際に置かれたベンチに、安住先生の姿があった。 相変わらずの緩い雰囲気で、一人、煙草を吹かしている。 不意に昨日の真っ直ぐな視線が蘇ったけど。 振り切る様に首を横に振って、僕は安住先生の元へ向かう事にした。 「…?、おー、吉成。どうした~?」 僕に気付いた先生が、ニヤリと笑みを浮かべながら右手を挙げる。 ペコリと軽く会釈して、促される侭先生の隣に座った。 「安住先生、僕…負けてるかも知れないけど、負けませんから」 「……は?ごめん吉成。意味判んねぇ」  
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