切磋琢磨な実情。

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「薄先生……」 深刻そうな顔で琢磨は薄先生を呼んだ。 「ん?」 急に態度の変わった琢磨に薄先生は若干驚いた。 「やるなら早くやりましょう」 真面目な顔で琢磨は言う。 「前置き長すぎ」 修は頭をボリボリかいた。 「読者が飽きる」 口を尖らせて順也は言う。 「そこは触れちゃいかんですよ」 透かさず琢磨はつっこんだ。 「そ、そうだな」 三人に色々言われ薄先生は何となく恥ずかしくなっていた。 自業自得である。 「す~さぁん」 突如何処からともなく甘い女性の声が聞こえてきた。 「ん?」 真っ先に順也が反応した。 「すーさん?」 何となく嫌な予感がした琢磨は首を傾げた。 「女の声?」 修は聞き覚えのある声に耳を傾けた。 「おう! 掃子先生ぇぇぇ~」 薄先生が振り返ると同時に一人の女性が薄先生の胸に飛び込んできた。 体のラインがはっきりわかるミニワンピに身を包んだ小柄な女性。 茶色の長くウェーブのかかった髪からは甘いにおいがする。 ぷっくりした唇に大きな瞳に天まで届きそうな長いまつげ。 この超絶美女の名は綺麗田 掃子(きれいだ そうこ)。 この学校の保健医。 生徒からも人気のある名前の通り綺麗で優しい先生だ。 「なっ! 我等の綺麗田掃子先生が何故筋肉ムサイわき汗薄先生の元に!」 ショックを受けた順也はどさくさにまぎれて言いたい放題言う。 「いいすぎかと思いますが……」 順也の言葉に琢磨はため息をつく。 「あら、生徒さん達残ってたの?」 やっと残っていた三人に気づいた綺麗田先生は薄先生に抱きついたまま三人に視線を移した。 「……綺麗田先生まさかとは思いますが」 頭の中で状況を整理しながら琢磨は質問する。 「なぁに?」 ニコニコしながら綺麗田先生は琢磨を見た。 「薄先生とお付き合いしてるんですか?」 琢磨は綺麗田先生をジッと見つめる。 「そうよ~」 変わらぬ笑顔で案外あっさりと綺麗田先生は答えた。
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