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「まぁまぁ、固いこと言うなって」
秀喜と信彦の仲を取り繕うように康夫は仲裁する。
「へぇ。
俺は断然、『鳴かずとも鳴かせてみせよう』かな」
うんと頷いて秀喜は言う。
「どうやって鳴かすんだ?」
そう言って康夫は口を尖らせる。
「そこを考えるのが面白いのだよ」
秀喜はさも楽しそうにニタニタ笑う。
「首でもひねれば鳴くさ」
表情を変えずに真っすぐに正面を向いたまま信彦は言う。
「えぐいな、オイ」
信彦の言葉に二人はビビる。
「俺は『鳴くまで待とう』だな」
康夫は腕組みをしてうんうんと頷く。
「ひぇ~……。
俺はそんな悠長には出来ないなぁ~」
康夫の言葉に秀喜は眉間にシワを寄せた。
「先に自分が死んだらラチあかないな」
相変わらずそのままの姿勢で信彦は言う。
変わらぬ表情と微動だにしないとこがどこと無く気味悪さを醸し出している。
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