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「……お前は『殺してしまえ』がぴったりだな」
嫌味たっぷりに秀喜は言う。
「悪くないな」
今まで無表情だった信彦の口角が少し上がった。
「悪くないのか……」
康夫は信彦の表情に不信感を抱いた。
「……実行するか……」
そう言うと信彦はいきなり立ち上がった。
「はいはい。
0能力者は言う事が違うね」
手をヒラヒラさせて秀喜は信彦を馬鹿にする。
「やめろよ。
あんまりからかうなよ」
嫌な予感を感じていた康夫は秀喜を止める。
「……俺は言霊使いだ。
有言実行なんか容易い話」
秀喜の言葉で余計に火が付いたのか信彦は凜とした顔をしてみせた。
「なぁ、物騒な事よせよ」
信彦の肩をポンと叩き康夫は落ち着かせようとしている。
「コイツができるわけないじゃん」
事態を把握できてない秀喜は更に挑発する。
「挑発すんなよ」
挑発する秀喜を康夫は注意する。
「ビビってんの?」
秀喜はずいっと康夫に顔を近づけた。
「いや、そういうんじゃなくてさ……」
秀喜の顔を押し返しながら康夫はしどろもどろとしている。
「……挑戦状しかと受け取った……」
そう言うと信彦は徐に教室の外へと出て行った。
「ほら、ああなるだろ。
アイツは霊能力者として一流だよ?
どうなっても知らないからな」
出て行った信彦の方を指差しながら康夫は言う。
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