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「……心配しすぎだよ」
強気でいる秀喜だが、康夫や信彦の言動を見ているうちにだんだんと不安になってきていた。
「キャーッ!」
暫くして女生徒の悲鳴が教室中に響き渡った。
「どうした!?」
クラスメート達は悲鳴のしたベランダの方へ向かった。
「あかりちゃんが転落しちゃった!」
ベランダでは泣き崩れる女生徒と壊れた手すりがあった。
「!?
あかり!」
名前を聞いた秀喜は慌てて下を見た。
下には一人のショートカットの女生徒が血を流して倒れている。
彼女の名前は霜月 あかり(しもつき あかり)。
秀喜の彼女である。
秀喜は慌てて下に降りて行った。
心配して康夫もついていく。
「……手すりが老朽化してたんだな」
壊れた手すりを見てクラスメートは呟いた。
***
下に辿り付いた二人は横たわるあかりに駆け寄った。
「あかり……
ううっ……」
血を流し倒れているあかりを抱え上げ、秀喜は涙を流した。
先程のへらへらして強気な秀喜の姿はなかった。
暫くしてあかりは病院へと搬送された。
「……鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス……」
立ち尽くす二人の背後から信彦の声がした。
二人が振り返ると無表情のまま立っている信彦の姿があった。
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