ホトトギス。

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「!? まさか……」 あかりの血が付いた秀喜はゆっくりと立ち上がった。 「……どうだろうね」 表情を変えずにゆっくりと信彦は答える。 「お前、悪ふざけがすぎるぞ!」 いつも冷静沈着な康夫が怒鳴った。 「人の心配する前に自分の心配しろ」 怒鳴った康夫を制止するように信彦は言う。 「てめぇ……」 康夫は信彦の胸倉を掴んだ。 「ここにいたのか!」 クラスメートが息を切らしながらやってきた。 「んだよ! 今は取り込み中だ!」 信彦を掴んだまま康夫は怒鳴る。 「……さつきちゃんがさ、事故にあったらしいぜ」 いつもと違う康夫に戸惑いながらもクラスメートは話を切り出した。 「てめぇ、便乗するんじゃねぇよ!」 康夫の彼女・卯月 さつき(うづき さつき)の事故をいきなり聞かされ康夫は信じられなかった。
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