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「は?
こんな嘘付けるわけないだろ!」
そう言い残しいきなり怒鳴られたクラスメートは怒って去って行った。
「……マジでいい加減にしてくれよ。
うっ……
うっ……」
ドサッと信彦を放り投げ、康夫は泣き崩れた。
「……鳴かぬなから鳴くまで待とうホトトギス……」
康夫の様子を見てまた信彦はぼそりと呟いた。
「ふ……
ふふ……
ははは……」
突如秀喜は気が狂ったかのように笑い出した。
「秀喜!」
驚いた康夫は思わず立ち上がり笑う秀喜の肩をガクガクと揺すった。
「みたかい?
これがコイツの本性さ!
コイツは『死神』なんだよ!」
ガクガク揺すられながら秀喜は信彦を指差しながら叫んだ。
「落ち着けよ!
偶然かもしれないだろ!」
まるで自分に言い聞かせるように康夫は言う。
「偶然?
じゃあ何でコイツはちっとも悲しそうな顔しないんだ?
冷静すぎるだろ……」
目を見開き必死な形相で秀喜は信彦を見つめた。
「後一つ……」
ジロリと二人に視線を送り、じりじりと信彦は近づく。
「まさか……」
「冗談……だよな?」
反射的に二人は数歩後退した。
「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス……」
信彦はガッと二人に手を伸ばし首をしめた。
「ぐっ……
くるし……」
「たす……け……て」
片手で首をしめているとはいえ、半端ない力で締め上げられ二人はもがいたが逃げれなかった。
そして……。
二人は力無く信彦の手中でだらりとなり意識を失った。
そして静かに息を引き取った。
「……口は災いの元」
どさどさ。
雑に二人を地面へ落とした。
「また無駄な殺生をしてしまった。
ふふ……」
気味悪く笑いながら信彦は満足げにこの場を後にした……。
目を見開いたまま倒れている二人の瞳は去り行く信彦を見ているようだった……。
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