1章

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ふざけんな!一緒にいたら脱走できねぇじゃねーか! 「お断-ー」 「んっ?何ですかな」 「いやいやいや!案内お願いできますか!?」 何があったって?いいよ、教えたげるよ。どこからだしたか知らないが、槍持って脅してくんだもん。こえーよ! それにしても何なんだコイツ?何で着いてくんだろ? まさか、脱走するのバレたとかじゃねーよな? いや、そんなはずは…… 「星殿も城下に何か用があるので?」 「ええ」 ならコイツの用事を済ませて、後の時間を自分に費やせば……。 うん、そうしよう! 「なら星殿の用事に付き合いますよ」 「そうですか?ならお言葉に甘えましょうか」 星は俺の腕を掴んで、とある店に入った。今思えば止めとけばよかった……。 「虎高殿は黒と白どちらが好みですかな?」 「く、黒かな?」 「ふむ、ならこちらの赤の下着と黒でしたらどちらですかな?」 どっちでもいいよ!面倒だ、適当にーーー 「ちゃんと答えて下さいね」 「ど、読心術…だとっ!?」 いやいやいや!そんなわけねーよな!使えたら脱走もバレてんじゃん! 試してみるか? 【今日の下着の色は何ですか?】 なに聞いてんの俺!? 「黒です」 「答えるんかい!?」 「ふふ、それがアナタの本当の性格ですかな?」 「ハッ!」 クールになれ俺! 「何の事ですかな?」 よし!落ち着いた。 「……脱走(ボソ)」 「!!!」 何故その事を……!?コイツ、やっぱり読心術使えやがる! 「虎高殿、今は二人しかいません。秘密にしますので、アナタの本当の"姿"をみしてもらえませんか」 本当の姿って…… ハァ…、まぁいいか 「あぁ、わかったよ。これでいいか」 「敬語よりはそちらの方がしっくりしますな」 「うっせえ」 何かコイツ苦手だな。掴めないというか。 「ついでに顔に巻いてある包ーー」 「却下だ」 「つれませんな」 「はぁ、面倒だ」
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