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そんな、ある日のこと。
もう何回通ったか分からない、学校の帰り道での出来事。
この日も、寄り道などするでもなくただひたすら自宅を目指して歩いていた。
そして帰り道にある唯一の私の日課を果たすべく
自宅から5分ほどの距離にある、公園の隣の小さな団地を見ると
いつも通り、猫がたくさん集まっていた。
大好きな、猫の観察。
それが私の唯一の日課であり、癒しだった。
団地の前で立ち止まる、私の視線の先には
ゴロン、と無防備に横たわる猫や
少し警戒しているのか、座ったままこちらを見つめる猫
身体を舐め合う猫や、追いかけっこをしている猫……
どれもこれもいつもの光景であるが、今日は何だか少しおかしい
……集団で集まる猫たちの少し先に、横たわる一匹の猫。
その身体からは、明らかに生気が感じられず。
「……もしかして…死んでる…?」
ふいに言葉が口をついて出た。
と同時に、足は勝手にそちらの方へと向かっていた。
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