データファイル No.001 -上杉 真野-

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 怒りと、恐怖と、悲しみが、ない交ぜになって襲ってくる。僕はギリっと唇を噛んだ。  そうだ、僕の本当の目的はここじゃない。こんな、誰でも使えるような場所じゃなくて、ここに隠された、僕等の救いの場所だ。  僕はすぐに掲示板のトップへと戻る。よく見ると、最新記事を紹介している部分はテーブルで覆われ、その下にカウンター。そして、更に下に画像。最初に見た耳を傾けている人と話している人の影の絵だ。それが目印だった。  僕はそっとその画像をマウスで辿る。矢印のマークは変化しない。けど、僕は話している人から発せられる一つの音符へとマウスを固定させた。そして、ゆっくりとマウスのボタンを押す。  カチリ。音が耳につく。けど、何も変化はない。別の音符へとカーソルを合わせ、カチリ。また変化はない。最後の音符に合わせて、息を飲み、ゆっくりと指を動かした。  カチリ。画面が突如変わる。
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