データファイル No.001 -上杉 真野-

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 悩みがぐるぐると頭を回って、どう応えて良いのかわからずに、打った文章をデリートしてしまう。  そうこうするうちに、痺れを切らしたのか、リクが文章を送ってきた。 「答えたくないなら、いい。こちらで調べるから、無理なことには答えなくいい。だから、ノーとだけ打ってくれ」 「わかった。ノー」 「それじゃあ、君の依頼は、この学校で起きている全てのイジメについて、か? それとも、ある一つのイジメについて、か?」  端的な答えにも気にした様子はなく、リクは質問を重ねてくる。質問が的確なところをついてきてほとほと困る。全部と言えば、関係ない人まで巻き込むかもしれないし、僕のイジメに関して触れられることもないかもしれない。  けど、まだ個人を特定するようなことを言いたくなかった。信用できない気持ちがあるのかもしれない。  僕は仕方なく間を取る事にした。
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