データファイル No.001 -上杉 真野-

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「身辺調査は先に同意してもらってるしな、わからないといろいろやり辛いから、じゃあ結果を楽しみに待っててくれ。俺はログアウトする。」  え、待って! そう思うのに、文章が次から次へと流れた。 「あ、ちなみに誰がログインしてるかは、バーにある仲間で確認できるから。それじゃあ、また」  そして、リクはログアウトしました。という文章が次いで出る。慌てて仲間をクリックして確認すると、リクの名前の横に、ログアウトと表記されていた。  僕はガクッと肩を落とす。  結局僕のことは調べられてしまうのか。そう思うと胃の辺りがきりきりと痛みだす気がする。こっそりと、できれば巻き込まれないでやって欲しかった。そういう願望が競りあがる。  あぁ、駄目だ。余計に胃が痛む気がして、僕もそのサイトを閉じて、パソコンの電源を切った。そうだ、こんな日は寝てしまおう。悩んでいても余計にお腹がおかしくなる。  僕は、何もかも忘れてしまおうと布団に入り込んだ。
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