データファイル No.001 -上杉 真野-

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 僕は一瞬迷ってから、マウスではなくキーボードに手を添える。ここまで来たなら、書き込むしかない。僕はどうしても中を見たいんだ。  この中学校では虐めがある。  そこでキーボードを打つのを止めてしまった。何か長く書いていいのか躊躇われたからだ。ページ全体に目を走らせるが、何文字以上や以下の制限は記されていない。  困って、これ以上何も書けなかった。書いたら、全て書いてしまいそうで怖かったから。  それに、僕の目的は"チクル"ことなんかじゃない。  僕は、そのまま送信ボタンを押した。一度確認画面が出たけど、そのまま送信をもう一度押して本当に書き込んだ。  画面は書き込みありがとうございました。審査のうえメールを返させて頂きます。しばらくお待ち下さい。メールが一日経っても来ない場合はもう一度書き込みをして下さい。と言った文章が出る。それだけだ。  仕方なく僕は書き込んだフリーメールの画面へと飛ぶ。
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