17*Give us kiss?

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「うるさいな。すっぴん関係あるの!!あるったらあるの!! もういいでしょう?さっきから言ってるけど離れてよ」 赤い顔を誤魔化す上手な言葉が浮かばなくて、半ば強引に押しきりながら、綾乃は今日何度目かの『離れて』を告げる。 もう近いのダメ。 顔赤いのだってこの距離でやり取りするからだもの。皇がこんなに近いと、恥ずかしくて照れくさくて乱される。乱されるんだよ。 何を言われても頭働かないの。 だから離れて欲しい。 「ねえ、離れてよ」 「オタオタしてるオマエ面白いからヤだ」 「ーー!!ばっかじゃないの!?だいたいあたしは全然おもし、ろ……く」 あれ? 怒る綾乃はふと、皇の耳元に視線を向けながら真面目な表情で黙りこむ。 その表情の変化に気がついた皇も真面目な顔になって、綾乃に問いかけた。 「なに?」 何……って。 耳。耳元に違和感。 「……ね?ピアス。 ……ピアスは?」 確かさっき至近距離で見た時は、ちゃんとあった。瞳と同じ色のガーネット。 ーーさっき……って、最後に見たのはいつだったかな?ーーと、記憶をたどれば、ピアスとは無関係な『見て』と言われた耳元の低い囁きと、目の前でゆっくりと瞬きする皇が、余りの印象の強さに、思い出したい記憶を押し退けて鮮明によみがえてきた。 瞬きを繰り返しながら、唇をゆっくりと柔らかに噛む動作と、動作の合間に時々感じる舌先の甘い感触ーー。 「ーーっや、まっ、待って!!それはちがくて!!」 .
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