ＡＡＡ

meet

光の具合で青くも見える少し長めの黒い髪。
身長はおそらく170を超えていたであろう。
整った顔立ちに口元のほくろが色っぽい、一言で言うとかっこいい人である。

思わず見とれていた花音の持っていたノートと、自分の持っていたプリントを手早くまとめる少年。
仕分けし終わったあと、もう一度花音の方を振り返る。

「なあ、マジで大丈夫？」

「え!?」

花音は、自分のプリントばかりか、花音のノートも全て拾ってくれた少年に、なんだか申し訳なくなった。

「大丈夫です、本当にごめんなさい。」

「でも今意識飛んでたじゃん。」

「大丈夫です、いつもの事ですから。」

……今、おかしな返答をしたということに花音自身は気付いていない。