第5章》異界に立つ兵士

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 装甲車は一息エンジンを吹かすと、基地へ向けて移動を開始した。その装甲車内では、様々な思いが渦巻いていた。バスは、再び襲ってきた車酔いに参りながらも、バスはそのスピードに驚嘆し、アストラニアの協力が必要だと思いを更に強くした。  ――カルヴァンの復興の為にも、ここで彼らを味方につけないといけない!  自国のことを考え、決意を固めるバス。リーナは聖剣であるレイピアを握り、俯いている。  ――私だけいつまでも戦わない訳にはいかない。父上の仇をとるためにも…  普段通りの姿を見せながらも、内心は煮えたぎった思いを秘めたリーナ。  ――アストラニアという国の技術、ぜひ研究してみたいな…新しい発見もあるかも知れないし。  クロムの世界の技術に未来を見いだすルルゥ。  ――絶対に元の世界に帰る。必ずだ!  そして、元の世界に帰ると意気込むクロム。様々な思惑を内包した装甲車は、草原の草を踏みしめながら猛然と目的地に向けて前進して行った。
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