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「もうそろそろ戦闘も終わった頃でしょう。これで我々も帝都に凱旋できますよ!」
フラスタの内心も知らず、ワイバーンナイトはそう言って笑った。フラスタが寝覚めが悪いなぁと思いながら窓の外を眺めたとき、息を切らしながら別の伝令が駆け込んできた。咳き込む伝令にフラスタ達は怪訝な顔をした。
「どうした、なにかあったのか?」
「ゴホッゴホッ、か…カルヴァン王女の一行を攻撃したワイバーンナイトが、全滅したそうです!」
「な…なんだと!?」
フラスタとワイバーンナイトは揃って声を上げた。
「それは確かか!?」
「はっ、はい!…それで、あの…フラスタ様のお目付役の監督官様がお怒りになり、追撃を放ちました…」
「は…?…えぇい!何で私の指示も無しに兵を出しているんだ!?地位は一応私のほうが上だろうに!」
そう言って机を殴るフラスタ。しかし、実際の指揮権は殆ど監督官にある。フラスタが動かせるのは自身の私兵のみである。
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