第6章》ドラゴンナイト

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おずおずとリーナが尋ねる。 「…ところで、以前お話した件ですが…」 「カルヴァン公国の救援の件ですか?」 「はい」  リーナ達にとっては国の命運がかかった死活問題である。少し考え込んだ後、クロムは言った。 「助けてあげたいのは山々ですが、基地に帰ってみて、司令部にお伺いを立てなければなりませんね…」  司令部が残っていれば、だが。残っていない場合、クロム個人の判断で動く事になるだろう。その時、バスが息も荒く駆け寄ってきた。 「クロム殿、もう直ったか!?」 「あ、はい、もう行けますよ…どうしたんです?」 「帝国の騎兵隊がこっちに来ている!しかも全員が完全武装ときている!」 「なんと」  ――騎兵隊に付いてこられては基地へ帰還するのに邪魔になりそうだ。ここで潰しておくか…  そう考えたクロムは装甲車の中に戻る。機銃弾をばらまくのが一番手っ取り早いのだが、弾薬の節約のためにもそうはいかない。普段あまり使わないような装備を探し出した。 「クロム殿、何をしているのだ?急がねばならん時に!」 「や、ちょっと、彼らにプレゼントをと思いまして」  そう言ってクロムは発見したソレを設置しにかかった。 ・
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