8296人が本棚に入れています
本棚に追加
遠くで起こるそれらの光景を眺めながらクロムは首を捻る。
「あれ?あんなに派手に吹っ飛ぶかな?爆薬の量とか間違えたかも」
「………」
もはや何も言えないリーナ達。上部ハッチから顔を出していたテノールは、爆発の熱気を肌に感じながら、上空から飛来する影に気付いた。影はかなり大きく、恐らく10メートル以上の巨体だろう。巨大な翼がついていて、獣の雄叫びが風に乗り流れてくる。
「げ…」
テノールは呻きとも悲鳴ともとれる声をあげると、慌てて頭を引っ込めてハッチを閉じる。
「どうした?」
とクロムが尋ねると、冷や汗を垂らしながらテノールは答えた。
「ど…ドラゴンナイトです!」
ルルゥ達の顔色が変わった。声を上擦らせながらルルゥがテノールに聞き返す。
「どっ、ドラゴンナイトですって!?」
「間違い無い!確かにドラゴンだった!」
「…ドラゴンナイト?さっき空軍が撃ち落とした奴じゃないんですか?」
「ワイバーンナイトとは格が違う!力もおつむも段違いだ!しかも上には魔法が使える騎士まで乗っているときた!」
最初のコメントを投稿しよう!