第6章》ドラゴンナイト

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「ルルゥ、もういいぞ。お疲れ」 「し…死ぬかと…」  一旦停車して、クロムは運転を交代した。  ――今考えると、走りながら運転を代わって、よく横転しなかったもんだ  そっちの方向でも危険だった事を考えると、再びクロムは背筋が寒くなった。 「そう言えばバスさん、あのドラゴンナイトとかいうのは一体どれほどの数がいるんです?」 「………」 「…バス団長?」  返事が無いことに怪訝な顔をしたクロムは、ちらりと後ろを振り返った。 「……………うぷ」 「バス、しっかりして下さい!」 「め…面目次第もありませぬ…」  バスはリーナの介抱を受けながら、後部スペースでぐったりしていた。…そう。車酔いである。 「…意外すぎる」 「うぅっぷ…」  バスの背中をさすりながら心配そうにリーナが尋ねる。 「しっかりして下さい!」 「なぜだ…馬は平気な筈なのに…うっ」  そんな光景を横目で見ながらクロムはテノールとルルゥに話しかける。 「テノールはこれからも上空の監視を続けてくれ」 「はい」 「ルルゥはまたあんなのが来たら運転を交代してくれ。操作は分かったろ?」 「え…またやるの?」 「いや、最悪の場合はだからな?」 「あぁ…うん、分かった」  ――基地まであと少しだ。またあんなのに来られたらヤバい。さっさと移動するか…  そう考えたクロムはアクセルを踏み込む。装甲車はエンジン音を轟かせ発進した。
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