第6章》ドラゴンナイト

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「ぐ…くそ!誇り高いドラゴンナイトが…こんなことで!」  ドラゴンナイトは憤激していた。自分のドラゴンを御しれない事はドラゴンナイトとして失格である事を意味する。このまま本部に帰ってもドラゴンナイトの称号を剥奪され、軍内で馬鹿にされながら日々を過ごすことになるのは確実だ。 「それもこれも全てお前のせいだからな!この野郎!」  そう言って龍騎兵は自分の乗るドラゴンを拳骨で殴る。固い鱗に阻まれ、ダメージは無かったが、ドラゴンは不本意だとでも言うように不機嫌そうに一声鳴いた。慌てて取り繕う龍騎兵。 「いや、まぁ、調子に乗って接近させた俺も悪かったがな」  龍騎兵は龍の背に乗せて貰っているだけに近い存在だ。龍の機嫌をとっておかないと、振り落とされかねない。  ドラゴンは荒い鼻息を出すと、先程クロム達が去った方向へ飛行を開始した。龍種はプライドが高い。先程の敗走はドラゴンとしても許せない事だったのだろう。 「よし、今度は出来るだけ高い所から攻撃を浴びせてやろう!行くぞ!」  徐々に装甲車の姿が大きくなってくる。猛烈なスピードで街道をひた走っている。
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