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――それにしても、さっきのミサイルは誰が撃ったんだ?
クロムは装甲車の中からドラゴンナイトに殺到する対空砲火の様子を見ていたのだ。
――友軍がここにいるのか…?でも無線連絡すら無いのはおかしくないか…?
そして、周囲を見回す。そこには、錆びた自販機や壁を這う蔦、割れたガラスや土嚢からまき散らされたらしい砂が広がっている。
――明らかに俺のいた世界のものだよな…
分からない事が多すぎてクロムは混乱する。暫くそれらを眺めていると、それに気付いたルルゥが嬉しそうに寄ってきた。
「お、この遺跡に興味あるの?」
「あぁ、うん、まぁな」
「私はこう見えても魔導学院考古学科を首席で卒業してるんだ!ここの事、教えようか?」
クロムは内心こいつそんなに頭良かったんだと思いつつも、素直に説明を求めた。
「じゃあ頼む」
「では、説明するね!」
ルルゥは一つコホンと咳払いをすると、話し始めた。
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