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「ここを私達は『空の民の街』と呼んでいるの。」
「なんで?」
「背が高い建物が密集していて、空へ行くための物だと考えられているんだ」
「へぇ…」
背の高い建物を見てそう仮説をつけたのだろう。実際の所を知るクロムは、とりあえず相槌をうつことにした。
「いつからあるかは定かでは無いんだけど、相当昔なのは分かってる。ただ、技術は私達のはるか上をいっていたと思うな」
「そうだな、こんなものを作れるくらいだもんな」
「この遺跡には『鉄人』というガーディアンがいて、侵入者を排除してるらしいの。私達がまだやられてないのは奇跡としか言いようがないよ」
「鉄人ねぇ…他には?」
「無いんだ、実は。調査隊で生きて帰ってくるのが少なくて、今じゃここには誰も来ないの」
そう言ってルルゥは周りを見渡す。
「いい研究対象ではあるんだけどね…どこの扉も開かないらしいね。無理やり開けようとしたら変な音が鳴って鉄人が来るらしいし」
変な音は多分建物の警備システムだろう。となると、『鉄人』は恐らくは警備会社のドロイドでは無いだろうか?
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