第7章》古代廃墟の戦い

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 クロム達の視界の空中を巨大な物体が通り過ぎた。数瞬遅れて気付く。道の脇に放置されていた錆び付いた大型トラックだ。  そうクロムが認識した時には、飛来したトラックは盗賊団に直撃していた。血しぶきを撒き散らしながら吹き飛んでゆく盗賊達。かれらはビルの壁面やコンクリートに頭を打ちつけ、次々と絶命していった。  トラックは乗用車の密集した場所に突っ込み、間に挟まれた盗賊を潰しながら止まった。トラックが通過した後には、盗賊達が倒れている。誰一人として動かない。そして沈黙が訪れた。  ビルの間を、風が吹き抜けてゆく。盗賊達の鉄臭い血の臭いが、クロム達のいるところまで流れてきた。リーナが眉をよせて鼻を手で覆った。さっきの一瞬で、約10人はいた盗賊達が全滅してしまった。 「一体だれが…!?」  そう言って外へ上半身を乗り出すルルゥ。 「あっ…!バカ、外にでるな!」  ルルゥはクロムの制止を無視して外に出た。しかし、そこには誰も、何も居なかった。
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