8296人が本棚に入れています
本棚に追加
「何だ…今の音は…」
クロムの後ろからバスがまだ酔いの抜けていない顔で出てきた。
「何者かによって盗賊団が全滅した。様子を見に行こう」
クロムは緊張した顔で答えると、ルルゥを追って外に出る。扉の左右を銃で照準し、誰もいないことを確認しながら盗賊達の生死を確認してゆく。6人の死亡を確認したところで、トラック近くに倒れていた盗賊が呻き声を出した。
クロムは銃口をその盗賊に向け、いつでも撃てるようにしてからルルゥ、バスと共に接近した。
「…そこ…誰か…いるのか…?」
かすれた盗賊の声が聞こえる。バスは斧を構えて近づきつつ聞いた。
「誰にやられた?」
「…奴は、人間じゃ…ねぇ…」
「何?」
「『鉄人』だ…バケモンだ…」
鉄人と聞いてクロムはバスを押しのけた。
「鉄人はどんな見た目だ!?」
「て…鉄人は…女…の姿をしてる奴だった…」
「…は?女?人間か?」
「違う!あれは化け物だ…!」
そう叫んだ盗賊は口から血を吐く。
「おい!まだ死ぬな!」
「俺達の剣を…腕でとめやがった…まさしく…あれは…ば…け…」
最後まで言葉を言い終えず、盗賊は事切れた。
最初のコメントを投稿しよう!