第7章》古代廃墟の戦い

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 アストラニア軍の歩兵用突撃銃は、典型的なアサルトライフルと言った見た目だ。しかし、そのケースの中にあった銃は、それとは全くの別ものであった。  クロムはそのライフルをケースから取り出して、構えてみる。いつも使っていた物よりやや重い。角が少なく、見た目が玩具のように感じる。一番の特徴は、通常の銃口より少し下にもう一つ銃口のようなものがついている事だ。  よく見ると引き金も2つに分かれていて、グレネードランチャーのようなものと考えられた。  クロムはケースに下の銃口用の物と思われる弾丸のような物を取り出し、上下に並んだ排莢口の下側に押し込み、兵士を運搬するドラゴンに向けて構えた。  ――どんなことになるかは、敵で試した方が早いな…  そんな身も蓋もない事を考えつつ、兵士の詰まっているであろう箱を持つドラゴンの腕に狙いを定める。反動で銃口が持ち上がる事を意識して、少し照準を下にすると、引き金を引いた。
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