第7章》古代廃墟の戦い

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 廃墟から相当離れた川岸まで、クロム達は逃げて来ていた。  クロムは後方や周囲に敵の追っ手がいないのを確認すると、河原の砂利を踏み潰しながら車両を停めた。サブマシンガンを片手に運転席から降り、もう一度念入りに周囲を確認する。  ――周囲に敵影は無し、オールクリア。  取り敢えずは安全だと確認して、装甲車の後部ドアを開いた。 「周囲は安全です、ここで一旦休みましょう」  リーナ達一行も沈んだ面もちで装甲車から降りてきた。そして、川の近くに集まって座り込む。テノールは川の水を浴びるように飲んだ。ついでに顔も洗って服の袖で顔を拭くと、長いため息をひとつ。 「ふぅう………一応、助かったんですね…」  テノールの服には帝国兵のものか、返り血が染み込んで、黒い汚れとなっていた。
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