第7章》古代廃墟の戦い

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 装甲車を軽く点検したクロムが、バケツを手にテノールの隣にしゃがむ。 「あぁ…俺達は、生きてる」  そう言ってクロムは川からバケツで水を汲んだ。ついでに顔に付いた血も洗い流す。 「………」  暫くの沈黙。 川のせせらぎがいやに大きく聞こえる。 「…ちょっと、周囲を偵察してきます…」  そう言って立ち上がろうとしたテノールの腕を、クロムは掴んだ。 「待て」 「何ですか?」 「これを持って行け」  腰のホルスターから拳銃を抜いて、初弾を装填すると、テノールに手渡した。 「撃つ時はここを下にずらして、穴が開いてる方を敵に向けて、ここを指で引け」  実際に安全装置を外し、近くにあった石を狙い、引金を引いて見せた。  乾いた発砲音とともに、河原の石が砕け散る。排莢された空薬莢は、ちゃぽんと川に落ちた。 「あと11発撃てる。撃ち尽くしたらそれを使うことを考えるな」 「は…はい…使い方は何となく分かりましたが、何故これを?」 「発砲音は結構響く。敵の襲来を俺達に早めに知らせる筈だ」 「な…なるほど、では、行ってきます」  そう言って、テノールは鎧を鳴らしながら近くの森に駆けて行った。
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