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「お前なら楽勝だろう?『勇者』なら、な」
『…まぁな、多分楽勝さ。それと、ワールシュタットの森での件だけど』
「あぁ、黒い兵士の件か?」
『俺にも襲いかかって来たんだけど!あれ、あんたの部下か?』
「いや、少なくとも俺の部隊じゃない」
『すっげー気持ち悪い奴らだったぜ…煙がブシュー、ってよ』
「こちらでも調べてみる。取りあえずお前は目の前の任務に集中しろ」
『はいはい、じゃあな』
「…ふぅ」
絆石を懐にしまうと、指揮官は一息吐いてイスの背もたれにもたれかかった。黒い兵士の件についてはいろいろと報告が入っていたが、どうも姿形が決まっていなかった。人型に限って言えば、
『黒いカルヴァン兵が襲ってきた』
『黒い格好の竜騎兵にやられた』
『どこの国かも分からない黒い奴に矢を射られた』
と、様々だ。共通なのは全身が黒いこと。分からないことが多く、困惑するばかりだ。
――黒い奴らの事を忠告しておいたほうがいいか?
そう考えた指揮官はドラゴンナイト…正確には元ドラゴンナイトに連絡をとるため、橙色の絆石を取り出すのであった。
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