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「ドラゴンナイトから、ワイバーンナイトに格下げかぁ…」
ドラゴンナイトからワイバーンナイトになってしまったシュライトはワイバーンに跨がり、のんびりとクロム達の装甲車を追っていた。今回は追跡だけが任務なので、気楽なものである。
「…まぁいいけどね、出世するとこまでしたし。財産できて生活には余裕あるし」
どこかやけっぱちの響きがあるのは気のせいでは無いはずだ。眼下には土を巻き上げながら進む装甲車と、それを遠くから追う騎馬の姿が見えた。
「聖剣とか馬鹿らしい。はは…もう任務放棄して故郷に帰ろうかな…」
そんな事を呟いて暗く笑うシュライトの鼻に、焦げ臭いにおいが届いた。顔を上げると前方に先程のような遺跡群が見える。
「げ…またかよ…」
先刻のミサイルの嵐を考えて、シュライトは防御魔法をありったけかけてゆく。プロテクトの魔法を五回重ねがけして、一息つく。
ちなみにプロテクトの魔法は、魔力を相当消費するため、普通の魔術師なら一回位しかかけられない。
その事がシュライトの魔術師としての優秀さを示していたが、いつも肝心なときに活躍を見てもらえず、あまり評価は貰えていなかった。
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