第7章》古代廃墟の戦い

44/54
前へ
/627ページ
次へ
「…潰しがいがあるじゃねぇか……」  スタームは心底楽しそうに笑う。すぐさま立ち上がり、装甲車を追い始める。装甲車から機銃が発射されたが、そのすべてをスタームは回避し、時には剣で弾きながら着実に装甲車に近づいてゆく。 「あいつを倒せば、俺の求める物が手に入るかもしれねぇ…!」  走る速度が一段と上がる。大股に開いた足はかすむ勢いで大地を駆け、飛んでいるようにも見える。 「そうすれば…力があれば…」  そう呟き、スタームは凄惨な笑みを顔に張り付け、装甲車へ飛びかかった。神剣を最速の勢いで振り抜く。 「あいつらも浮かばれる!」  剣から放たれた真空波は、装甲車の後部ドアを無惨にひしゃげさせた物と同じだ。その恐るべき威力を秘めた攻撃が、今度は装甲車のタイヤをえぐり取った。
/627ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8296人が本棚に入れています
本棚に追加