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スタームの放った技は装甲車のコンバットタイヤを切り裂き、バランスを失わせた。
「きゃ……!?」
運転に慣れていないルルゥは慌ててハンドルをきる。装甲車はタイヤを片側全て失ったにもかかわらず奇跡的に横転せず、斜めに傾いた状態で、火花を散らしながらアスファルトの上を十数メートル程滑り、止まった。
急制動でもろに車体に胸部を打ちつけ、悶えながらも、クロムはサブマシンガン片手に装甲車から転がり出た。
「うぉお…いって…!おい、皆外に出ろ!リーナさんは中で待っていて下さい!」
クロムが呼びかけると、車内からテノールだけが出てきた。彼は剣を抜くと、こちらに駆け寄り、スタームに向けて構える。
「テノール、ルルゥは?」
「リーナ様と一緒に。最後の砦として」
「なるほど」
そう言ってクロムもサブマシンガンを向こうから歩いてくる人影に向けて構えた。
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