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「まいっか、じゃあ用件を言ってやろう。リーナ・カルヴァンと聖剣を引き渡せ。大人しくしないと苦しんで死ぬハメになんぞ?」
「大人しく渡したとしたら?」
「苦しまないようにサクッと殺してやる」
「…言いたいことはそれだけか?」
「もう一件ある、…コイツだ」
そう言って左手にさげた穴だらけの剣をクロム達に見えるように掲げる。
「俺の剣をここまでボロボロにしてくれた奴と手合わせしたくてね…」
そしてクロム達を品定めするように眺める。
「で、どっちの方よ?」
「…俺だ」
と、銃口を微動だにさせず、クロムが答えた。
「ふぅん…」
スタームはそう言って、穴の開いた剣を投げ捨てた。投げられた剣は近くに放置されていた乗用車のボディにぶつかって、ガラガランと音をたてながら地面に転がった。
「そんじゃ、始めますか」
そう言ってクロムの方へ剣を片手に歩み寄るスターム。クロムは、躊躇わずに引き金をひいた。発砲音が響き、銃火がほとばしる。
しかし、スタームは、飛来する亜音速の弾丸を真横に瞬間移動して避けた。スタームの姿がぶれて残像になる位の速さで移動したのだ。
「な!?」
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