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「おぉ、速い攻撃だ。普通の戦士ならとっくにお陀仏だったろうぜ」
そしてまた一歩踏み出す。クロムは冷や汗を浮かべ、今度はサブマシンガンを三連射した。
焦ったなりに正確にスタームに叩き込まれた弾丸は、しかしまた回避され、体に触れることは無かった。
「だが、俺はお前の武器よりも速く動ける!」
そして歩み寄るスピードを速めた。クロムの顔に、一筋の汗が光る。
「く、クソ!何で当たらないんだ!?」
そう叫びフルオートで引き金を引いた。連続する発砲音。雨のように殺到する弾丸をスタームは顔色一つ変えず、回避し、剣ではじき、ゆっくりと接近してくる。
「ば…バケモノかこいつは!」
と叫ぶクロムに、
「そのセリフ、聞き飽きたぜ。今まで何回言われたことか」
と言い、ついにクロムから後3歩の位置まで到達した。あと1歩、いや、半歩近づけば、スタームの剣がクロムに届く。
――相手は剣だと思って油断した!装甲車がやられた時点でもまだここが異世界だという実感が持てなかったってのか!?
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