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アクロバット隊が慌てたような機動をとり一斉に引き上げてゆく。その様子をクロム達は見ていた。
「…」
「どうしたの、空軍は?」
と、アキ。
「分からん」
クロムは漠然とした嫌な予感を感じた。
。
「あれー?ネットに繋げないぞ?」
「またSNSっすか?」
「フレグはコレの面白さを知らないですね」
「…嫌な予感がする」
「またまた~嫌な予感なんて大袈裟っすよ~」
「…まえに外人部隊として現役で働いていた時と同じ感じだ…」
その時、肩に付けていた司令部からの要請を伝えるはずの無線から雑音混じりの声が聞こえた。
『こち…空軍の…トル1現在…ちらに…不明機…………敵と…れる……地上…隊も接近……注意……我々……武装完……次第……援護…る………!』
それきり、雑音だけになった。
「ねぇ…これって…」
震える声でアキが言う。
「あぁ…」
クロムは腰から銃を抜こうとして、着けて来なかった事を思い出す。
「戦争だ……」
フレグが戸惑いながら言う。
「え…ガチっすか?」
見ると、パレードの車両も異変を感じたのか停車している。上部のハッチが開き、そこから顔を出した車両に乗っていた兵士が、不安そうに空を見上げていた。
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