第8章》騎士団迎撃

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 まぶたを開くと、世界に光が満ちた。柔らかな陽光。澄んだ空気に草の香り。広い草原に、彼女は倒れていた。 「う…」  ゆっくりと起き上がる女性は、アキ・メイプルフィールドだった。  ――どこ、ここ…  暫く目の前の光景に呆然とする。自分が居たのは確かに都市の中心部だったはずだ。なのに何故、こんな平原に転がっていたのか。  遠くには山の稜線が見える。そよ風が吹いて、平原の草がさわさわと揺れた。  その風に乗って、覚えのある臭いが届いた。ガソリンの臭い。かすかにエンジン音も聞こえる。  ――敵!?  咄嗟にアキは草むらに伏せた。草むらを探ると、近くにアサルトライフルが落ちていた。拾いあげて弾数を確認する。  残弾が充分なのを確認して、本体に叩き込んだ。初弾を装填、安全装置を解除すると、音の発生している方向に銃口を向けた。エンジン音はどんどん近づいてくる。  姿はまだ見えない。しかし、アキの指は震えた。呼吸も荒くなり、照準が上下する。  そして、エンジン音とタイヤが地面を踏みしめる音。アキの緊張は頂点に達した、その時。
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