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『誰かぁいないっすか~?アストラニア陸軍っす~』
フレグの声が聞こえてきた。
『馬鹿が…敵が潜んでたらどうするんだ』
レントの声も聞こえる。
「…え?」
驚くアキ。軍用トラックが少し離れた所に停車し、中から次々とアストラニア陸軍兵が降りてきた。2人に1人は地雷探知機を持っている。もう半分はアサルトライフルを構え、探知機を持つ兵士を護衛していた。
『地雷と伏兵に注意しろ。味方への呼びかけは忘れるな』
『了解』
アキの腰に着いている無線から、そんな声が聞こえる。アキは腰から無線を取り外すと、味方を呼んだ。
「こちら117小隊副隊長、アキ・メイプルフィールド軍曹、現在そちらから見て3時の方向の草むらに潜伏中。」
『あ、アキさん!生きてたんすね!いゃあ、よかっ』
突然フレグの声が途切れ、低い声が聞こえてきた。
『アキ軍曹、今からそちらに兵士を送る。クリアリングが終わるまで動くな』
レントの声だ。ベテランの登場に、アキは銃口を下げる。
「了解」
草を踏む足音。味方がいたことに、アキは安堵した。
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